2024.02.5
特許
特許取得の費用や手間はどのくらい?
今回は、第2回で告知した通り、特許取得のための費用・手間について説明します。
1.特許庁に支払うお金
特許庁に対して支払うお金としては、出願時の出願費用、審査をお願いする際の審査請求費用、特許取得後の特許料の3つがあります。
①出願費用:14000円
②審査請求費用:約18万円(請求項数10を想定)
③特許料:約32万円(請求項数10、10年の特許継続)
※所定の条件を満たすことで減免制度を利用することができ、1/2又は1/3まで費用削減できる場合もあります。
2.弁理士に支払う費用
弁理士に支払うお金としては、出願完了までの対応(書類作成・事務手続き)の費用、審査開始から特許が得られるまでの対応(書類作成・事務手続き)費用、特許料の支払い及びその後の管理の費用があります。
各種の対応は、その内容、分量、回数に応じて必要となる費用が増減します。
ここでは、通常想定される内容、分量、回数を考慮したモデルケース的な費用として紹介します。
①出願のための対応費用:約50万円(調査、書類作成、特許庁提出)
②拒絶理由対応(1回):約20万円(反論・補正のための書類作成)
③特許料の納付:約2万円(1回の支払いごとの費用)
3.特許取得までの手間
①弁理士に対する発明内容の説明
②弁理士が作成した出願書類の確認
③拒絶理由が通知された場合の対応策を弁理士と相談
④拒絶理由の対応書類(反論・補正)の確認
⑤各種の費用の支払い
以上のように、特許を取得するまでの費用としては、出願内容や拒絶理由の回数により増減がありますが、約100万円が通常費用と考えられます。
そして、特許取得後の費用としては、維持する年数によって増減がありますが、10年間の特許維持を行おうとすると、約32万円が必要となります。
また、特許取得までの手間について、書類作成や特許庁への手続は弁理士が基本的に対応します。そのため、出願人側として必要となるのは、発明の内容の説明や弁理士が作成した書類を確認する作業のため、そこまで大きな負担はかからないものと考えます。
では、最終となる第4回では、第1回~3回の内容を踏まえて、特許取得すべきか否かの判断例を紹介したいと思います。